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Love’s diary

偏愛、寵愛、やっぱり最愛。

#Mambaday

私の中のKobeという選手は、尖らせた口元、生意気な髪型、太く派手なスウェット、時折見せる不敵な笑み、人のものとは思えぬ眼光を持つ、19歳の若僧だった。

高卒でNBAに入る、将来を嘱望されたその頃に、私も丁度、希望した学校に入学した時期である。

その頃の試合は、私が大学生活でいっぱいいっぱいだったが、彼の期待はここ極東までは何とか伝わる時代だった。

若かりし彼の活躍を時折耳にしつつ、いつしかすっかりNBAのことは忘れていた。

やがて再び私が興味を持ち始めた頃も、彼はビジュアルと背に背負う数字を変えながらもそのまま、あのときの不敵で気に入らないまま、バスケをしていた。

私が卒業し、就職し、結婚し、出産している間に彼は勝利を手にし、頂点に立ち、怪我を負いながらもなお、あの眼光のままバスケを続けていた。そうか、バスケが好きなんだな、とても、と漠然と思ったのを覚えている。

彼のプレーにさほど感慨はないはずだ。ただ同じ歳だというくらいしか私には共通点はなく、私が愛したチームの一員でもない。それでも、ここに何かを書き残そうかなという気持ちにはさせられている。

今日は彼が最も愛し愛されたものから永遠に離れる日だ。別れを決めた顔は何とも穏やかで落ち着いていて…

似合わない。

嫌だ、と思う。タイプのプレーヤーとは言えずとも、私はどちらかと言えば好きだった。挫けることのない連続した継続したモチベーションの維持に畏怖を感じたし、いつでも殺してやると言わんばかりの残酷さは私の中に、ある種の禁忌的な歓喜を呼び起こしていた。

だから穏やかに笑う彼など、見たくなかった。私の最愛の選手と、柔らかい顔で抱きあう姿を見て、もう、彼はこの場から降りることを選んだのだなとひしひしと感じた。

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彼を憎いと嫌いだと公言しても憚ることなく、誰にでも納得される選手は、再び現れるのだろうか。あれほど憎みながらも堪らない嫌悪の中でも、その一挙一動に魅了させられ、震えるような慟哭を呼び覚ます選手と、私は死ぬまでに出会うことはあるのだろうか。

ああ、例えようもない。

寂しい日だ。