Love’s diary

偏愛、寵愛、やっぱり最愛。

#UnfinishedBusiness

夜、家族が寝静まったあと、そっと勝手口から庭に出る。愛用のポーチを持って、煙草に火を点ける。

終電の近づいた遠くの高架の電車の音が、疎らに響く。マンションの常夜灯と、近くのバーレストランと、私の煙草の火だけが灯る。

見上げると月が輝く。

毎日できるわけではないが、貴重な時間、やはり考えるのは好きなこと。日常のゴタゴタは食器洗いが終われば、それももう終わり。

以前、
を書かせていただいた。

想いはいつだって変わらず、むしろ日々、ゆっくりと深く、少しずつ長くなる。有難い事に。


ケビンラブと私に、何も通ずるものはない。勝手な恋慕で、勝手な追跡で、勝手な執着で、勝手な信頼で、勝手な夢想で、全て私の自分勝手な欲望である。

題は彼の今季のスローガンで、毎日片時も多分忘れることなく、努力と研鑽と気の遠くなるような、

気の遠くなるような練習を積んで、2回目の夢の舞台に立っている。

もう夢ではないだろう。サイドラインに立った昨年の震えるような気持ちとはまた別の何かを胸に抱いて、彼はコートに立っている。

当然だと思うほど傲慢でもなく、必然だと思うほど余裕のある彼ではない。ただひたすらに、高揚する気持ちを闘志に変えて、怯むことなく驕ることなく、自分にできる全てを出し切ろうと、

走り、

叫び、

守り、

バスケットにボールを、

入れていく。

彼が信じ、慕った仲間とひとつになろうとし、誰よりも多く、誰よりも強く、誰よりも勝ちに飢え、闘っている。

私は視界が何度も何度もぼやけてしまったが、何度も何度も堪えた。挙動のひとつひとつが、ピボットフットの一歩さえ、今日その日の決意が滲み出ていて、胸が鷲掴みにされるように、苦しかった。

それはとても大切で、とても愛おしくて、びっくりするほど甘美な苦しみで、彼の力がつまっていて、堪らない時間だ。

彼の全てがこれからに詰まっている。持ち得る全てを見ることができる。

なんて幸せなんだろう。

やっぱり好きだと何度も何度も、好きになったあの日よりも、ずっとずっと思わせてくれる。

ただひたすら好きでいさせてくれる彼の指先が、駆ける足音が、何処かを見据える瞳の光がもっともっと輝きますように。



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